こんにちは。体臭おやじです。
ワキと足のニオイ・・・。悩ましい問題ですよね。
汗をかくから体が臭くなる。
汗をかく暑い夏のほうが当然ワキも足も臭い。
私はずっとそう思い込んでいました。
でも、汗をかかないと逆にワキと足は臭くなるんです。
体臭は真夏のほうが絶対に臭いとあなたも思っていますよね。
ですが、汗をほとんどかかない状態だと、実は秋のほうがワキと足は臭いんです。
どういうことなのか、何ヶ月も自身の体のニオイを測定しつづけてきた私が体験したことをお伝えしたいと思います。
汗をかかなくなるにしたがい、しだいにワキからのニオイが強くなる
はじめに気がついたのは、ワキの異変でした。
私はデオドラント商品を検証するため、ほぼ毎日のように自身の体で試してみて、ニオイを嗅いで体臭測定器で測ってきました。
7月からなので4ヶ月以上データを取り続けました。
当然のことながら一番暑い真夏がどの部分も一番臭いだろうと思っていたのです。
確かに7月中旬あたりからだんだんニオイが強くなっていき、汗臭さ・ワキのニオイ・足のニオイは夏が強かったです。
特に汗のニオイは30度を超えてくるとテキメンに強くなりましたね。
そこから9月に入って涼しくなってきて、汗をだんだんかかなくなり、汗のニオイはほとんどしなくなりました。
ワキと足のニオイも、気温が下がるにつれ汗のニオイのように収まっていきました。
「 ああ、これは季節とともにだんだん臭わなくなっていくんだな、当然だ。 」、そう思っていたんです。
しかし、ニオイが収まってきて2週間くらいたった頃でしょうか。
「 なんかワキのニオイ、強くなってないか ? 」
休日でしかも気温が低いにもかかわらず、ワキから今までよりも強いニオイがしてきたんです。
いや、この気温でワキが臭うはずが無い、と思ったのですが確かに今までよりも臭いんです。
事実、去年までは同じ時期にワキのニオイが気になることなど無かったのですから。
しかし、事実としてワキからニオイがしています。
これはなぜなんだろう、と疑問に思うようになりました。
デオドラント製品を疑うようになる
私は7月あたりから、デオドラント商品の検証をするために、ほぼ毎日といっていいほどなんらかの商品を上半身とワキや足に塗っていました。
また、商品を紹介するために、デオドラントに関することも調べて勉強するようになっていました。
その中で、ある記事の内容がひっかかります。
大手の情報サイトの記事で、制汗剤を長く使い続けると、皮膚常在菌の数が減り悪玉菌が増えてニオイがきつくなる可能性がある、という内容の一文でした。
「 えっ ? そんなことがあるの ? じゃあこのニオイが悪化してきたのはそのせい ??? 」
「 たしかに検証のため休日も毎日塗り続けているし 」
休日もワキはもちろん、室内でわざわざクツ下とクツをはいてデオドラント製品を試していたので、塗らない日がないという状態を続けていたんですね。
「使い続けると悪化するなら、デオドラント製品なんて使えなくなるじゃない ! 」
そう思いました。
使うとニオイが悪化するなら、ブログで紹介すること自体もおかしなことになってしまいます。
正直かなり困りましたね。
デオドラント製品のせいではないことが判る
悩んだあげく、
「 使い続けるのがニオイが悪化した原因なら、しばらく塗らずに様子を見てみよう。 」
ということで、一週間ほど一切デオドラントを塗るのをやめてみました。
しばらくやめてみて、昨年の同時期くらいまでニオイが落ち着くなら、デオドラントが原因ということです。
塗るのをやめてみてどうなったか。
ニオイは一向に元通りにならず、強いまんまです。
また、ワキだけでなく、足のニオイもいままで感じていたニオイよりも強くなっていきました。
※これはもちろん塗らないから臭くなっていった、というわけではないです。
本来なら、涼しくなっているので塗らなくてもニオイが引いていくはずですから。
一週間だけではわからないので、一応期間を空けてもう一度塗らない期間を作って試し、また、休日は検証するのをやめました。
「 休肝日 」ならぬ「 休デオドラント日 」を設けたんです。
それでもニオイは収まらなかったんですね。
デオドラントを塗ってる期間はちゃんと効くのですが、悪化する前と比べるとやっぱり少しニオイがキツイですし、休日で家でじっとしていてもニオイが出ました。
このことから、デオドラント製品を塗り続けたことで常在菌のバランスが崩れてニオイが悪化したということではない、という結論に至りました。
この結論にはもうひとつ根拠があって、ワキと足はニオイが悪化していましたが、同じようにデオドラントを毎日塗っていたにもかかわらず、首や胸、肩などは全くと言っていいほどニオイがしなくなっていたからです。
デオドラントが原因でニオイが悪化するのなら、ワキや足と同じように首や胸や肩のニオイも悪化するはずですよね。
そうなっていないというのは事実上デオドラント製品のせいではない、ということです。
デオドラント製品が悪者ではなかった、ということが判って、「 無実の罪をきせられたけど法廷で逆転無罪を勝ち取った法廷サスペンス 」を観て、さんざんヤキモキしたあとにホッと安堵したような、そんな気分になりました。笑。
となると、今度は
「 じゃあなんで涼しくなってきてから逆にニオイが悪化したの ??? 」
っていうことになりました。
ニオイがきつくなった原因が、汗をかかなくなったことにある事に気づく
去年はこの時期収まっていたニオイが、今年はなぜかひどくなっている。
去年は使っていなかったが今年は使ったデオドラント、がニオイ悪化の原因ではない。
なにが違うんだろう、と思ったときに、思い当たるものはもう汗の量の差でしかなかったです。
昨年までは忙しく体を動かしていたので、秋だろうが冬だろうが一定量の汗をかいていました。
しかし、今年はというと運送の仕事なのにほとんど体を使わないので、秋に入ってからぴたーっと汗が出なくなったんです。
汗が出てるのはわずかにワキからと足からだけ。
これだけ汗をかかないというのは、近年経験がないです。
これはどう考えてもこのことが原因だな、と思いました。
そして汗をかかないまま症状は悪化していきます。
ものすごい量の手汗、足汗が出るようになる
気温もだんだん下がり、一日中ほぼ全く汗をかかない状況が続きました。
そしてある日またまた気づきます。
「 なに ? この異常な手汗・・・ ??? 」
異様に手のひらが湿っているのを感じて手のひらを見ます。
すんごい汗が手のひらに浮かび上がってきていました。
これが仕事中に撮影した実際の画像です。↓
ちょっと判りづらいですが、手のひらのスジの部分と指紋のスジに、汗が大量に浮かび上がって白く光っているのが判りますでしょうか ?
実は、この記事を書いているこの瞬間も手のひら、ビシャビシャになっています。汗。
いったいなんだ ? このからだ !?
もともと手汗は多かったですが、近年ここまで大量に出た記憶はありません。
近年経験がないほどの汗が出ない状況、同じく近年経験がないほどの大量の手汗、足汗。
関係が無いはずないですよね。
そして、手汗だけでなく、ワキも真夏よりも明らかに湿っているのが感じられるようになったし、クツの中の足にも汗が吹き出てると(触らなくても)判るくらいになりました。
※手のひらがビシャビシャで触っても濡れているか判らないので、体の感覚としてです。
もう、出なくなった汗が出る場所を探して手のひら、ワキ、足の裏からバンバン出てる、そんな感じです。
そりゃあこれだけ出てしまえばニオイも悪化しますよね。
手のひらはさすがに外気に当たってるのですぐ乾くし洗ったりするからニオイは出ないですが、密閉状態になっているワキと足は雑菌大喜びです。
気温が下がってきて雑菌の繁殖が少なくなったといってもこれだけ汗が補給されればニオイの原因となりますからね。
涼しくなって逆にニオイがひどくなった原因、これですよね。
汗腺の分布と汗の成分から考えてもニオイ悪化と合致していた
汗腺の種類・出る汗の成分などを勉強してみて、汗腺の分布と成分共に今回のニオイ悪化の引き金の原因として合致していました。
ここで汗について調べてみたことを、簡単に説明したいと思います。
汗は汗腺という皮膚内の器官から出ます。
汗腺には3種類あって、主に体温調節をするために汗を出すエクリン腺と、同じく体温調節をするアポエクリン腺、もともとフェロモンを出す的な役割を担っていた汗、を出すアポクリン腺、の3つです。
※汗のことを調べたことがある人なら、エクリン腺とアポクリン腺の2つは聞いた事があると思いますが、アポエクリン腺という、名前も機能も2つの汗腺を足したようなものもあります。
この汗腺は存在を否定されつづけてきたそうですが、現在では存在が確定しているそうです。
参照・ドクターズオーガニック ウェブサイト
アポエクリン腺は構造がまだよく分かっていないらしいので描かれていないですが、下図が汗腺の構造図です。↓
エクリン汗腺
エクリン汗腺は小汗腺とも呼ばれ、唇や亀頭など一部以外のほぼ全身に分布していて成人で平均約300万個あると考えられています。
額 ( ひたい ) 、腋 ( わき ) 、手のひら、足の裏に最も多く存在しています。
中でも足の裏は一番多いという説があります。
図を見てもらうと解りますが、直接皮膚表面に開口していて、汗を出すようになっています。
エクリン汗腺から出る汗は99%以上が水で、1%以下を、塩分・ミネラル・尿素・尿酸・アンモニア・アミノ酸・グルコース・乳酸が構成しています。
もともとエクリン腺から出る汗は無色透明で無臭なのですが、汗に含まれるミネラルや尿素・アンモニアなどが皮膚常在菌などの雑菌によって分解されて「すっぱいニオイ」などの汗臭さが発生します。
私は過去この汗臭がものすごかったんです。「 激臭 」でした。
参照・ドクターズオーガニック ウェブサイト
アポエクリン汗腺
アポエクリン汗腺は、もともと多汗症患者のワキの下の研究により発見された器官です。
エクリン腺が一部変化したものだと考えられています。
エクリン腺の図の根元の「クシュクシュ」ってなっている部分がアポクリン腺のように変化したものですね。
そのためエクリン腺と同じように皮膚表面に直接汗を出します。
普通のエクリン腺よりも4倍~8倍大きく、発汗能力は7倍~10倍あるとされています。
多汗症の成人の場合、ワキの下の汗腺の約3割がこのアポエクリン腺だと考えられています。
ということは、重度の多汗症の私もそう ?
でも私の場合、ワキの汗は服に汗じみができないくらいの標準的なものなので違うでしょうね。
ワキ汗がすごい、っていう人はこのアポエクリン腺があると考えていいんじゃないでしょうか。
参照・ドクターズオーガニック ウェブサイト
読んで美に効く基礎知識 お肌とコスメの科学 ウェブサイト
アポクリン汗腺
アポクリン汗腺は大汗腺とも呼ばれ、哺乳類の性的・個体識別のための芳香腺が退化したもので、ワキなど限られた部分にしか存在していません。
フェロモン的なものでしょうか。
そのため、外耳道 ( 耳の中 )、乳輪、外陰部 ( 性器周辺 ) 、臍囲 ( おへそ ) 、腋 ( わき ) 、鼻翼 ( 鼻の穴のまわり=小鼻 ) ・鼻前庭 ( 鼻の穴の入り口内付近 ) など、性的な部分に多く存在しています。
それ以外にも成人男性のひげの生えているあたりにも多くあり、その他の部分にもわずかに存在します。
図を見てもらうと解りますが、直接皮膚表面に開口しているエクリン腺とは違い、毛穴の中に開口していて、毛穴の中から皮脂などと一緒に汗を出すようになっています。
アポクリン汗腺から出る汗は、エクリン腺から出る汗の成分にプラスしてタンパク質と脂質が含まれています。
粘り気をもつ汗で、乳白色または黄色っぽく見えます。
もともとアポクリン腺から出る汗も無臭なのですが、エクリン腺から出る汗が分解されて出るニオイにプラスしてタンパク質と脂質が雑菌によって分解されたニオイが発生します。
そのため「 汗臭さ 」とは違うニオイになります。
主にワキの下の「 ワキガ 」や性器周辺の「 スソワキガ 」のニオイの元になります。
参照・ドクターズオーガニック ウェブサイト
ワキも足もすっぱさの強いニオイだった
私の汗をかかなくなったことで悪化したニオイは、
ワキは「すっぱさの強い、でも汗臭さとは違うニオイ」
足は「イソ吉草酸などの納豆臭とかではなく、すっぱさと蒸れたニオイ」
でした。
汗をかかなくなったことでワキと足の汗の量が増えたため、ワキはエクリン腺からの汗の割合が多くなおかつアポクリン腺の汗の混ざるすっぱい系のワキガのニオイに悪化したんだと思います。
足もすっぱかったというのはエクリン腺から多く汗が出たためでしょう。
足のニオイの主要物質のイソ吉草酸は、足の角質の中のアミノ酸を皮膚常在菌が分解して生成します。
古い角質が多くはがれ落ちたらイソ吉草酸が多く発生するので足が納豆臭くなるはずです。
そうではなく、足に多く存在するエクリン腺から多く汗が出ていたから、汗と同じようなすっぱいニオイになり、なおかつ汗で蒸れたニオイになったのですね。
まとめ
普段から体を動かさずに仕事をしている、など、ほとんど汗をかかない人は、私のこの事例のようにワキや足のニオイがきつくなってしまっている可能性があります。
実際私は汗をかいていたときはここまでワキと足のニオイが強くはありませんでした。
汗をかかない人は、運動できる状況にあるならできるだけ体を定期的に動かしたほうがいいでしょうし、汗腺トレーニングなどで汗をかきやすい体に変えることもニオイを減らすことにつながると思います。
汗なんかかいたら汗臭くなってしまうじゃない、と思う人は、ウォーキングやランニング・スイミングなどの有酸素運動をおすすめします。
スイミングは汗がプールの水で流れてしまいますし、終わったらシャワーを浴びるので汗臭くなる心配はありません。
また、経験者の私だから言えるのですが、ウォーキングやランニングなどの有酸素スポーツの汗はほとんど臭くならないんです。
仕事は1日汗をかくと、ストレスもあって非常に臭くなります。
私の場合、強烈な激臭でした。
しかし、100kmマラソンを完走した私が、ゴール後に汗臭かったかというと、ほとんど気にならないくらいでした。
どちらも同じくらいの気温・同じくらいの時間、体を動かしていたにもかかわらず、です。
ですから、運動で汗をかくようにしたいなら、有酸素スポーツをやってみてくださいね。
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