シメン5オールってどんな成分 ?
シメン5オールは、殺菌成分としてデオドラント製品にはよく使用される成分です。
傷消毒薬などの医薬品にも使用されるので安全性が高い成分です。
同じくデオドラント製品に使われている殺菌成分の「 イソプロピルメチルフェノール 」という成分がありますが、このふたつは全く同じ成分です。
医薬部外品に使用する場合はイソプロピルメチルフェノールと呼び、
化粧品に使用する場合はシメン5オールと呼ばれます。
商品区分により呼び方が違うだけなんですね。
シメン5オール
化学名・O-シメン-5-オール ( INCLコード O-CYMEN-5-OL )
PH・中性
殺菌剤として使用される。
特徴・
1・ほとんど無味・無臭。
2・広範囲の菌に殺菌効果が高く、細菌・酵母・カビ類に平均的に作用。
3・ほとんど皮膚刺激性がなく、人臨床試験等で皮膚アレルギー性も報告されていない。
4・一定波長の紫外線吸収性があり、酸化抑制力もあわせ持つ。
5・安定した化合物で、高い安定性により長時間効果が持続する。
6・高い安全性により、医薬品・医薬部外品・化粧品にも使用される。
引用元・大阪化成株式会社
医薬部外品で販売されている商品の殺菌成分表示として、化粧品で使う呼び名のシメン5オールを使っているメーカーもあります。
医薬部外品として販売されているから原材料名表記が統一されているわけではないみたいで、デオドラント製品各社それぞれにどちらかの名称を使っています。
なぜ医薬部外品で化粧品の表現をしているのかは、ちょっとメーカーに訊いてみないと判らないところですね。
・殺菌作用について
殺菌作用は広範囲の細菌に作用して、試験管内だと黄色ブドウ球菌や病原性大腸菌O-157などにまで及ぶとのことです。
ただ、あまりに強い殺菌作用でニオイ菌だけでなく皮膚に存在している表皮ブドウ球菌などの善玉常在菌も死滅してしまい、かえって悪影響につながるおそれもありますので、使用頻度には注意が必要ですね。
・抗菌作用について
腋臭 ( わきが ) 菌・黄色ブドウ球菌・アクネ菌 ( ニキビ菌 ) や白癬菌 ( 水虫菌 ) ・大腸菌・各種カビ菌など多数の菌類に抗菌作用があります。
薬用石鹸ミューズの主成分である「 サリチル酸 」などの他の多数の抗菌剤と比べて、少ない分量で抗菌効力があります。
・安全性について
マウスなどの動物投与実験により、安全性が確認されています。
皮膚アレルギー性・皮膚光アレルギー性(=光アレルギー)が無く、ほとんど刺激性が無い ( 全ての人にあてはまる訳ではない ) との事ですので、皮膚に塗る成分として安全性は高いです。
ただ、人によりまれに皮膚炎をおこす場合が報告されています。
また、使用濃度や長期間の使用によって中毒症状などが出る場合もあるそうなので、異常があれば使用をやめるなどの注意は必要ですね。
歯磨き粉にも使用されている成分ですので、口に入れても大丈夫なほど安全性があるということのはずですが、まあ副作用が指摘されていた人工甘味料と同じように摂取量が多すぎなければ大丈夫なのでは。
濃度は化粧品規格だと0.1%以下に定められていますので、製品化されているものは濃度の安全性は守られているでしょう。
医薬部外品規格での濃度上限は私が厚生省などのデータで調べた限りでは分かりませんでした。
・収れん性 ( 汗腺を縮ませる効果 ) について
殺菌剤ですが、弱い収れん性がありますので、収れん剤の効果を助けることにつながります。
・抗酸化性について
一緒に配合される成分の酸化・変質を防ぐ働きがありますので、変質しやすい成分の酸化を防いでくれます。
・紫外線吸収性について
一定波長の紫外線を吸収する働きがありますので、肌の劣化防止につながる事が予想されます。
主に化粧品の場合に有効ですね。
・安定性について
空気・光・温度・湿度に対して安定性が高く、成分が安定していることにより長時間の効果が期待でき、殺菌時間が長く持つということですのでデオドラント製品にうってつけです。
※詳しくは下記参照pdfによりご確認ください ( イソプロピルメチルフェノールのものです ) 。
参照・大阪化成株式会社 製品カタログpdf